電磁波過敏症

論考「実験的経絡論」


第十二章 経絡論のまとめとして


 

第十二章 古典医学情報の精華を知る

1、獣医学分野の温灸治療再評価

生命に関わる研究は、どこまでいっても生命現象という現象域のことで ある。その現象の成り立つ過程をあらゆる角度から追求していく過程で も、やはりその現象域全体のほんの一面しか捉えられないものである。

こうした場合、比較検証する実体が多数あった方が的確なデータを得ら れるであろうし、再現性も期待できることになる。

鍼灸や漢方も人体の臨床だけでなく、すでに幅広く畜産やペット動物の 疾病治療にも応用されている。こうした新たな展開の中では素晴らしい 成果が出てきている。

動物実験のレベルをはるかに越えて、その獣医学の分野でも確実に定着 してきていることは事実であるし、そうした中から温灸を使った治療法 が注目されてきている。

現代でも、温灸治療を積極的に取り入れている臨床家は少なくないと思 う。それほどに、温灸の治療効果は一般にも浸透しているわけで、あら ためてここで紹介するまでもないことである。

そうした中で、当方が温灸治療というものを再認識させられた経緯とい うのは、平成4年(一九九二)に福岡県八女市の獣医師・保坂虎重先生 の牛に対する灸治療法を新聞紙上やテレビ放送で拝見してからである。 (注1)

後日、保坂先生には直接お話を伺う機会に恵まれ貴重な論文資料やビデ オテープも頂いたのであるが、それらの資料の内容を拝見して驚いてし まった。

そこに報告されている臨床例は味噌灸の手法で乳牛を治療したものであ ったが、その効能のすべてが実に素晴らしいものばかりであった。

人と牛の違いはあるが、通常なら廃棄処分されてしまう疾病状態にある 牛が、先生の温灸治療で見事に回復していった臨床例がいくつも報告さ れていた。(注2)

なかでも、先生が特に注力された牛の不妊治療にこの温灸が大きな効果 を上げていることに注目しなくてはならない。その効果自体はホルモン 療法と同様か、それ以上のレベルで好成績を上げておられた。

保坂先生は「牛でもこれだけの成績が出るのだから、人の場合でも応用 すれば相当の効果が期待できるのではないか」と、温灸による不妊治療 法の術式を真剣に話された。

まさに、これらは動物実験ともいうべき温灸による一連の臨床報告であ ったが、これほどまでに温灸の補法としての有為性を印象づけられた資 料は他にはない。

ここで当方がまず考えたことは、一つは温灸が何故にこれほどの補法と しての治療効果を上げられるのかということであり、もう一つは牛や馬 にも人体同様に経穴があるということはどういうことなのかということ であった。

そもそも、経穴と経絡は不可分のものである。経穴をいうなら、そこに は経絡があって当然である。

動物の経絡論があるのか。或いは、そうした古典文献があるのかという ことが気になり始めたわけである。そして、何故に温灸治療がこれほど 動物にも大きな効果が期待できるのか。

いくつもの思考実験を展開していった結果として、温灸から放出される 赤外線の物理的スペクトラムを最初に検討してみたのである。結局これ は、量子力学的レベルのエネルギーが生体波動に直接関与してくるので はないかという考えに落ちついたわけである。

こうした観点からみても虎重先生の一連の研究は、大補としての温灸治 療の効果を再評価するに値する貴重な臨床・実験データということにな る。

一方、動物の経穴について残されている古い経穴図の存在を調べていた ところ、奇しくも医道の日本社の戸部宗七郎先生より貴重な古典文献を 拝借することができた。

そのとき始めて、江戸時代に版本として多くの牛馬の治療書が出版され ていた事実に接したわけであるが、このような情報の整理が早くに成さ れていたことは驚きであった。

それらの文献を、戸部先生は早くから研究資料として収集され整理され ておられたわけである。

そこでも牛馬の多くの経穴の特定は成されているが、それは経穴名と位 置関係の表示だけでそれらを結ぶ経絡の明示はなかった。経穴数も人体 に比して少なく、それも二から五つの経穴が局所的に結びつけられたか たちで表示されているに過ぎない。(図67参照)

しかも、そこに示されている経穴名が人体のものとは大いに異なってい るし、牛と馬との間でも同一の穴名・穴位のものはない。(注3)

興味深いことに馬の経穴名や穴位は日本と中国とでは三分の二が異なっ ている。

現代中国でも獣医学に古典的鍼灸術を応用した専門出版物は存在してい るし、それにも詳細な経穴図が掲載されているのであるが、経穴名の記 載だけで経絡ラインの書き入れはない。(図68参照)

少なくとも、牛や馬に鍼灸治療の効果があるということは、それらの動 物にも鍼灸によっても生体の波動が動かせるということである。そして、 生体波動があるということは、経絡環流の存在が当然問えるということ なのである。

ところが、人体にみられるような経絡ラインが詳述された図が見当たら ないのである。一体これは何故だろうか。これは興味深いことのように 思えてならない。

まず第一に考えられることは、もともと牛馬等の動物には経絡がないと する見解があったというより、詳細な検討作業がされていなかったので はないかということである。

さらには、経穴の位置はそれぞれ特定できたとしても、人体同様の経絡 ラインを発見することができなかったとする考えも出てくる。

経絡環流自体は人体と同様に存在していると考えたとしても結局、動物 一般の経絡認識にまで発展する機会がなかった、そこまでは研究が進ま なかったいということになる。

要するに、動物については人体に関わるほど、経絡については精緻に探 求されてこなかったという解釈になるわけである。

当方の考え方からすれば、組織形態や比較解剖学的所見からみて牛馬に も人体同様の経絡環流が存在すると考える。つまり、経絡環流現象は生 命活動に直結したシステム構築であり、経穴が特定される以上はそれら の機能的な位相点の転写が体表面に発現していると考えられるわけであ る。

しかも前述したように、経穴の発見から経絡環流ラインの発見と特定へ と進むとする当方の見解からみても、動物の経絡が特定されるまでには 相当の時間が必要ということになる。

もし逆に、ここで経絡が存在しないとするのであれば、どうして経絡現 象に直結した経穴が存在し得るのかという反問となって返ってくるはず である。経穴が存在するということは、取りも直さず経絡現象そのもの が発現しているということに他ならないわけである。

宝暦年間に発刊された「馬療鍼灸撮要」の序文には次のようにある。

「馬に七結あり、内羅あり、よく是を弁じ鍼灸を施し、たおれを救い、 死を起こす者は馬医というべし。」

また冒頭の鍼法の項では、「凡そ馬、にわかにわづらいて寒熱見わけが たきをば早速灸すべからず。三日或いは五日を送り、わづらふには針灸 を用ゆべし。針灸にあらざれば病速やかになをりがたし。そうじて馬の 諸病に寒熱のわきまへなく針灸を用ひてよろしき所あり。」とある。

牛馬の診断法としては、古典的な四診によるもので五臓や三焦に関わる 病症の記述がある。病証認識も人体と大して変わらないし、それぞれの 疾病にも鍼灸と湯液が併用されている。特異なところといえば、牛の場 合は特に角で診る脈診法が紹介されている。(図69参照)

ただ、現在のところ生体波動レベルの問題として考えると、人体と牛馬 などの動物との共鳴波動(気のエネルギー)が同質のものかどうかは比 定できないようにも考えている。というのは、動物の生体波動エネルギ ーは人に比べて非常に荒いもののように感じられるからである。要する に、その性状や組成に異なるところがあるのではないかという感想は持 っている。

これは、あくまでも主観的感覚であるので多くの批判に耐えられるもの ではないのは確かであるが、幾分かの相違はあっても動物にも確かに経 絡系は存在しているという考えに何ら変わりはない。

磁気波動共鳴分析器で表示されるすべての波動測定コードは哺乳類にも 共通であるという。これは、人体と動物とでは同じ共振域を持っている ということであり、同一の情報系(経絡)が存在していることの証左に なるものである。

体表面、それも皮膚組織(皮毛)を中心にして生体の情報系が形成され ていることは古典医学の示すところであり、ハイテクを駆使した分野で もこの点については同様の認識が成されつつあるところである。

とにかく、牛馬の経穴を特定し温灸を施せば人体同様の治療効果が期待 できるということ自体、そこに大補としての温灸の波動効果に共鳴する 生命波動エネルギーの流れがあるということになるわけで、量子的エネ ルギーを抜きにしてこれ以上の確証は直接には得られないのではないか と考えるわけである。

結局、動物レベル固有の経穴と経絡との相関関係の追求には、人体との 比較検証のもとにさらなる検討作業が必要ではないかと考えるところで ある。

2、三焦概念と腸内造血理論

古典医学でいう気血理論の概念的位置づけについては経絡情報に関連し て冒頭でも少し触れたが、厳密な意味での気血生成のプロセスはさらに 複雑なものになる。

なかでも血の生成という場合、我々は現代生理学的造血理論を古典の中 にも探すわけであるが、残念なことに骨髄造血にそのまま対応するよう な古典情報を見つけ出すことはできない。

古典理論では、そこまで造血の生理を追求してはいない。これを古典医 学理論の限界とみるか次元が異なる問題とみるか、そこそこ理由付けは あると考えるが、これを総合科学的視座から眺め直すと別の見方も出て くる。

第二章で経絡内外を流動する気血エネルギーについては基本的な部分を 解説した。もちろん、古典に記述されている気や血の生成についてはい ささか曖昧なところがあるのは否めない。

しかしながら、古典情報を個別に取り出していくと断片的ではあるが、 そこに明確な生理観が確立されていたことが認識されてくる。

「脾胃は倉廩の官、五味これより出ず」(霊蘭秘典論)

「胃は五臓六腑の海なり。水穀は皆胃に入り五臓六腑は皆気を胃に稟く 」(五味篇)

「飲胃に入れば精気を湧溢し、上がりて脾に輸す。脾気は精を散じ、上 がりて肺に帰す」(経脈別論)

ここには、消化器官としての脾や胃の機能認識がある。

「脾、胃、大腸、小腸、三焦、膀胱は倉廩の本営の居なり。よく糟粕を 化して味に転じ、もって入出するものなり」(六節  )

これもさらに、消化吸収に直接関わる消化器についてより詳しく説明さ れている。

「夫れ、胃、大腸、小腸、三焦、膀胱。この五者は天気の生ずる所なり。 その気天に象る。故に瀉して蔵せず。此れ五臓の濁気を受く。名づけて 伝化の府という。此れ久しく留めること能わず。輸瀉するものなり」( 五臓別論)

「中焦は気を受けて汁を取り変化して赤くなる。これを血という」(決 気篇)

「営気は水穀の精気である」(営衛生会篇)

「営気は津液を分泌し、これが脈に注がれ変化して血となる。四末(四 肢)を営し、内にありては五臓六腑に注ぐ」(邪客篇)

血は気(営気)から生成されるということが示されている。ここで、津 液・汁と分離されるということは濃縮されるという意味にもとれる。血 の生成には中焦が関与していることがはっきりしてくるところである。

「穀は最初胃に入り、その精微なものはまず胃の両焦より出て五臓に注 がれ、営衛の二行の道に分かれる。」(五味篇)

「営気の道は穀を納めて宝となす。穀は胃に入り肺に伝える。中に流溢 し外に散布される。精の専なるものは経遂に行き、常に営みてやむこと なし。ついにまた始まる。」(営気篇)

そして、食物が消化吸収されるところから営衛の気が生成されてくる。

「真気とは天より授けられ、穀気とならんで身体に満ちている。」(刺 節真邪篇)というわけである。

「真気は元気である。気の天にあるものを鼻より受け、喉がこれをつか さどる。気の水穀にあるものは口より入りて咽がこれをつかさどる。い まだ生ぜざる初めにあるものを先天の気といい、すでに生じた後のもの を後天の気という。気の陽分にあるものを陽気、陰分にあるのを陰気、 表にある気を衛気、内にあるものを営気という。脾にあっては充気、胃 にあっては胃気、上焦にあっては宗気、中焦にあっては中気、下焦にあ っては元陰、元陽の気という。」(張氏類経図翼)

「三焦は臓腑の外衛、心包絡は心主の外衛にして、帝闕(宮廷)の重城 のごとし、故に皆陽に属し、ひとしく相火と称す。しかして脈絡もとよ り相通じ互いに表裏なす」(張氏類経図翼)

当然、現代の医学理論にも諸説があって、通常の定説とは大いに異なる 研究や学説もある。

特に、この造血理論については「骨髄造血理論」が医科学的には正当な ものと評価されているわけであるが、「腸内造血理論」という説が存在 する。

この画期的な学説を発表されたのは、自然医学会の主幹・森下敬一医博 である。

当方が最初にこの学説に接したのは、自然医学会の機関誌である月刊「 自然医学」誌上であった。

「自然的手法で血液を浄化し、自然献納健能を高め、万病の自然治癒を 図る」という自然医学会の理念をみれば分かるにように、すべて森下博 士のこの「腸内造血理論」に根ざしているわけである。

森下博士が昭和三十二年(一九五七)に発表された学説を分かり易く集 約すると、「食物が血液に変わり、その血液が体細胞に変化発展する」 というものである。

食物は消化吸収の段階で「食生物」となり、これが「赤血球母細胞」に つくり変えられ、そこから生み出された赤血球がすべての「体細胞」に 分化していくという説である。。

「食生物」・まだ細胞構造をもつに至らないが、新陳代謝を営むことが できる生きている物質のことである。体内に取り入れられた食物は、消 化吸収作用を受けたのち、すべてこの食生物に変わる。

「赤血球母細胞」・食生物が小腸絨毛の表面に付着し、絨毛上皮細胞と の共同作業によって、この赤血球母細胞を形成する。この細胞が十分に 成熟すると、その細胞内に抱えている赤血球を血管内に放出する。

「体細胞への分化」・血流に乗って全身の組織に送り込まれた赤血球は、 流れ着いた組織細胞の誘導を受けて、いくつかが融合して、そこにある 組織細胞と同じ姿のものに変化していく。

この方式で体細胞は次々と生み出されていく。

3、エピローグとして

本章で、一応本経絡論・第一部を終了する。第一章より延々と経絡論を 展開してきたが、検討すべき問題はそれこそ無尽蔵にあって、一つづつ 手間暇かけて論及していくには際限がない状態である。

当初の計画では、十二章も設定すれば当方が考える経絡論について一応 の結論を持ち出せると考えていたのであるが、実際には十二章でも容量 が足らない状況になってきた。

このままでは当初の目論見であった経絡の実態に対する明確な提示が時 間的に間延びして遅れてしまうことになる。

結局、容量が大きいためにインパクトに欠けるという懸念もあって、本 章で経絡論・第一部として収束することにしたわけである。

(今後第二部以降については、インターネット上で専門分野で公開して いく予定である。)

1・まず本論冒頭では現代の医科学分野のもとで、古典医学情報として の経絡を再評価する必要性を強調した。

経絡研究は困難を伴う作業であるが、思考実験という手法で可能な限り 追求していくという姿勢を当方はここで明確にした。

2・経絡環流そのものは生命現象ということで、極めて微弱なエネルギ ーに安定制御されているとする考えを順次展開していった。

3・そのために、まずハードとしての経絡多層リングを細胞レベルで特 定できることを発生学も含めて思考実験的に説明した。

4・複雑系、情報系としての経絡には、物理的に安定した超伝導のエネ ルギーが介在していることを論及し、ここで量子力学的レベルの情報紹 介と、そこからの思考実験の展開となった。

5・経絡環流に関連する水分子の特異なネットワークの存在、生体波動 エネルギーについての先進的EAV理論、生体磁場変動について順次詳 述した。

6・EAV理論はもとより、独自に磁場変動を検知するGSテスト法や 波動転写実験を紹介して、そうした微弱エネルギーの介在を順次提示し ていった。

7・微弱エネルギーのレベルから、まず電磁波傷害の背景を説明し生命 体を包む環境共振波動の重要性が理解されてくる事実を論及した。

同時に経絡環流の実態として、そこに経絡キャパシティーの考えを紹介 して奇経八脈の様相を説明した。

8・そこから、具体的な奇経治療や独自の手法で奇経の存在を解明する 実験を設定報告した。

9・さらに、経絡そのものの支配領域や経穴の全身展開を、複雑系にみ る位相点転写として分析考察した。

生体波動情報として、ホメオパシーやレイバー博士の講演との関連性を 紹介した。

10・波動転写や現象に関わる医科学情報の検索から、最小エネルギー の量子力学的問題を中心にして回転運動と経絡に付随する陰陽論との関 係を展開した。

11・経絡の微弱エネルギーと量子力学的エネルギーとの接点を検討し ていくと、カラーテラピーにみられるような微弱な光のエネルギー単位 量にも反応する事実が明確になる。

結局ここで結論として言えることは、気という微弱エネルギー捕捉のレ ベルを最小単位の位置に設定しておかないことには、経絡現象そのもの は認知されない状況にあるということである。

磁場共振レベル、さらには量子力学的な最小単位のエネルギーによって 経絡環流が干渉・共振作用を受けるということは、中国医学的治療手段 (経絡・奇経治療)の設定によっても十分証明されることである。

もとより、ここからは鍼や灸による刺激理論とは異なる展開が期待でき ることになる。

(注1)「医道の日本」第六〇〇号 (異聞奇聞・プラしボーの話)  宇田明男 一九九三 

(注2)「獣医畜産新報」No.768 (牛の消化器病に対する灸治 療) 保坂虎重 一九八五・「臨床獣医」Vol.11 (灸すれば通 ず-灸点直下の解決) 保坂虎重 一九九三

(注3)一七六〇年に発刊された版本「馬療鍼灸撮要」(平安隠士泥道 人識著・医道の日本社復刻)には八十一穴が紹介されている。人体と同 一穴名のものとして肺愈・心愈・章門・雲門・百会・曲池・帯脈がある が、それぞれの穴位は人体とは異なっているのは興味深い。



第1章 第2章 第3章 第4章 第5章 第6章
第7章 第8章 第9章 第10章 第11章 第12章

発行日 1998年1月16日


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