電磁波過敏症

論考「実験的経絡論」


第五章・波動エネルギーにせまる


 

1、経絡論は十年先を目指す

臨床では興味深い症例に出会うことが多い。肩を痛めて来院した患者の 呼吸音が気になっていたら、十年来の喘息で時々発作が出るということ であった。中肉中背の四五歳の女性患者である。顔色は青白く少しむく んだような感じであった。

喘息を鍼治療で治してくれということで、第一日目は標準的要穴を中心 にした標治法で治療してみた。特別な変化はなし。二日目に脈証に従っ て経絡治療でいう肺虚証で治療し、十分に気を補い調整した。

翌日、その患者は嬉々とした表情で来院した。昨日帰宅してから盛んに 咳が出だして、夜までに夥しい痰が出たという。それも黄色の痰が続け て百個(大げさな表現と思うが)ほど出たという。痰が出てしまったら すっかり呼吸が楽になって喘息症状が無くなってしまったという。その 後再発なし。

結局、長年の喘息がたった二回の鍼治療で速効治癒したということにな る。

結果は満足すべきものであるが、懐疑的な当方の立場としてはいよいよ 納得がいかない。「なぜだろう」という探求心が沸々と湧いてくる。

それが経絡治療本来のダイナミックなところだと言われてもどうしても 頷けない。ましてや「以前からそういうふう(手順や経験則が)になっ ている。それで治るのだから、科学的理屈などはどうでもいいではない か。要はそれで治療家として自信が付けばいいのだから。」という受け 身の考え方はそのまま受け入れられないわけである。当方としては経験 則ではない確かなものが欲しいわけであって、本論もそうしたところか ら出発している。

前章までの本論の内容も多くの意外性を含んだ展開となった。読者諸氏 におかれては、大いに戸惑われたことと思う。実体のない経絡や気の波 動を、分子だ、電子だ、超伝導の磁場だと難解なことを並べ立てて一体 この先どうなるのか。これで収拾がつくのかと怪訝に感じておられるこ とと思う。

実はそのように感じていただくことが当方の第一の狙いなのである。読 んで口当たりのいいものがよければ、既存の教科書や解説本を並べてお いて端から読んでいけば済むことである。とにかく本経絡論を構築して いく過程では、煩雑とはいえそれに必要な材料はすべて明示しておかな くてはならないはずである。それがフェアということである。

尊敬する先輩の一人からは、本論の内容展開に対して「十年先を行って いる感じだ」との批評を頂いた。十年先を行っているということは、い い方に解釈すれば画期的、斬新ということである。悪い方に解釈すれば いまだ時期尚早ということである。端的に言えば、読者にどこまで理解 していただけるか賛同していただけるかまったく未知数ということであ る。

しかしここで世界に視野を広げれば様相ががらりと変わる。日本におけ る東洋医学研究も最先端の分野ではハイレベルの成果が次々と登場して きているわけだし、各大学の研究室でも水準の高い研究報告が期待でき る状況下にある。

それらの新しい臨床知見や論文発表は鍼灸医学全般の評価を科学分野で 確実に高めるものであるが、油断すればその研究パラダイムは世界の流 れに遅れてしまうことも考えられる。インターネットが主流となる時代 に、そういう危機感は現実として感じられない方がおかしいのである。

故間中喜雄博士の残された論文を読んでいると、先生はすでに十数年前 にそうした新しいパラダイムの変化にいち早く対応しようとしておられ た。その卓越した先見性に驚くのは当方一人だけではあるまい。

いまや現代の経絡論に関わる展望として言えることは、片隅で細々と論 じられることに甘んじている時ではないということである。そのような 姑息な考えはいまこそ捨て去るべきなのである。

経絡論には現代科学を覆すに足だけのポテンシャル・エネルギーが秘め られている。それが、理解されれば古典医学理論を支える根幹の大きさ というものがより明確に認識されてくるはずである。古典医学理論を実 践する者こそが、そのことを真摯に受けとめていくべき好機でもある。

まさに経絡論こそはその中心に位置する最大の課題ではあるまいか。そ の探求の仕方は同時進行の形で各方面から取り組まれるべきであるし、 しかもそこには全天候に対応する多種多様な体勢が必要である。そこに 総合科学的考察の理由がある。

とにかく、形ある生物学的実体としての経絡を認識するということが、 本論の最初からの論点であった。その最初の手がかりとして、経絡その ものは確実に構造体として生体内に存在すると同時に、生体内のすべて の波動エネルギーを制御コントロールできるいくつかの条件を備えてい なくてはならないと考えたわけである。

その一つとして超伝導は絶対に避けては通れない物理的現象である。そ こから出てきたのが前回のマイスナー効果なのである。

超伝導に伴うマイスナー効果については、最近のテレビや新聞のニュー スでも話題になったことがある。それは磁性体の上に浮かんだ大きな円 盤状の超伝導体に、一人の女性が乗った状態のままでゆっくり回転して いる映像であった。

なぜ円盤が浮かび上がるかといえば、磁石から出た磁束線は超伝導体を 突き抜けることができずにその周りを迂回してしまうからである。この 曲がった磁束線が、円盤を下から支える現象をマイスナー効果というわ けである。

通常、超伝導体内では外に磁場が漏れ出ないように、超伝導体の内側に 渦電流が発生する。当然、磁束線は超伝導体を突き抜けることができな い。だが、この点についてもここで重要な情報に遭遇したのである。

それは、磁場自体が強くなってくるとこの磁束線がついには超伝導体を 突き抜けてしまう現象が起こるということであった。このことを「量子 力学を見る」の記述の中で始めて知ることができたわけである。当方に とってこれは衝撃的な情報であった。

この現象には二つの様相があるということである。一気に超伝導状態が 破れる場合と、超伝導体にバランスがとれた状態で穴が明いてしまう場 合とがあるということなのである。穴が明いた状態でもバランスが取れ れば、超伝導現象はそのまま保たれて物理的に安定した状態が維持され ることになる。(図19参照・同書P87より転載)

このようにみてくると、磁束線が生体磁場として体表面に出現していて も経絡の超伝導現象を否定する理由にはならないことになる。むしろ、 磁場を体外に漏らすことによって、体内全体の超伝導現象をコントロー ルしているのではないかという予想も出てくるわけである。そして、こ れを生体の経絡システムで考えていくとどのような展開に繋がるかとい うことになる。

経絡系には物理的、電磁気的エネルギーが関与しているということであ れば、これらのエネルギーはどこから来るのかということもここでは考 えなくてはならない。

経絡全体に供給される電荷エネルギーは血液循環から放出されるものが 大半ではないかと考えている。その電荷エネルギーは全血管壁から生体 細胞壁、結合組織へと伝わり経絡系に統括されていくものと考えられる が、経絡系そのものはこのような電荷エネルギーを効率よく取り込み生 体波動に同調転化しながら、一種のエネルギー変換を行っているとみる わけである。

ただ、イオン粒子などの電荷エネルギーが血管壁から出てきたままの姿 で全身を流動するというのでは、あまりにも不安定過ぎることになる。

生体内で物理的生理的に安定したエネルギー状態を保ちつつ、同時に波 動性を備えるということになると、ここはどうしても超伝導現象という ものに絞られてくる。

超伝導現象というのはエネルギー的に安定した状態である。しかも最も 効率のいいエネルギーの使われ方であり、それらのロスの全くない、い わゆる電気抵抗ゼロの物理的状態でもある。

とどのつまり、このような特殊な状態が生体の経絡系全体にあるとする ならば、いったい経絡内には何が流れるのかということになってくるは ずである。

それが明示されなければ、気のエネルギー波動を解明することは不可能 ということになる。それは、単なる電気の流れイオンの流れとは全く異 ったものということになる。

結論から先にいえば、経絡内にはクーパー・ペアというものが流れてい るはずなのである。クーパー・ペアとは電子が二つずつペアになった非 常にエネルギーの低い状態のものをいう。

この粒子は電子の二倍の電荷2eと二倍の質量2mがある。このクーパ ー・ペアと呼ばれる粒子は流動性を持っていて、これらがたくさん並ん で連動して一つの波動をつくる。超伝導電流はこの静かなロスの伴わな い安定した流れをいうわけである。

電子やイオンではこのような現象は起きない。電子の現象、イオンの現 象とは一線を画すものである。この点を「量子力学を見る」では次のよ うに詳しく解説してある。

「このように多数の粒子が連動して一つの波を作るということは、電子 では起こり得ません。ところが、電子のペアならそれが起こり得るので す。電子はパウリの排他原理と呼ばれる力にしばられ二つ以上の電子が 同一の状態をとることはできませんが、電子がペアを組むと、この束縛 が解けるのです。超伝導におけるクーパー・ベアの重要性はここにあり ます。」(同書P九十)

超伝導体の内面に超伝導の渦電流が流れて全体の磁束が量子化され、そ こに規則性のある波長が生じることになる。超伝導に関わる磁束量は決 まっていて、次の式で表されるという。

h/2e=2*10-15
(ウェーバ)

このh/2eが磁束の値の最小値であり、波長を0・5ずつずらす大き さとなる。この波長がとびとびにずれるという物理的事実は、気の環流 においても重要な現象となるはずである。

特にここでは、物理的エネルギーには最小値というようにそれ自体には 限界があることと、そのエネルギーが量子的世界ではとびとびに変化す るということを是非記憶しておいていただきたい。

このように量子力学の分野を要約してきても理解の範囲を超えてくる。 とにかく、生体内でもこの超伝導状態が維持されていて安定状態を保っ た2eのエネルギー波動が流れているのではないかという手がかりが、 ここでようやく掴めたということなのである。

実際に生体内部をクーパー・ペアが流れる状態にあるのか、そうした根 拠があるのかということが問われるはずである。

2、生体還元電位と水のネットワーク

経絡を環流するエネルギーがクーパー・ペアの2eの電気的エネルギー だとすると、次にはそれが一体どういうことになるのかが問題になって くる。

波動を伴うエネルギーの存在ということであれば、量子力学や電磁力学 の分野に該当するに違いはないが、結局のところ現代の生理学や本論の 経絡論にどこまで馴染むかということになる。

そのように考えていくと、人体を構成する内臓、組織や器官、さらに細 胞単位のレベルから分子、素粒子という捉え方の中で、もっともトータ ルな位置にある成分分子は一体何なのかという疑問にたどり着くことに なる。それ自体が生体内にトータルに存在し、そして介在しているもの ということである。

当然それは、水分子そのものという答えになる。生命体としての人体の 組成をみても加齢と共に比率が減少傾向を伴うが、その七十パーセント 前後を占めるのが水である。まさに生体の細胞は水に浸り、そして浮い ているわけである。それこそ水そのものが生命現象を支えているという ことは大いに納得のいくことなのである。そして、この水分子の次に蛋 白質が控えているわけである。

そこで考えたことであるが、この水分子が生体内で最も必要とするのは この2eの波動エネルギー(電荷)ではないのかということなのである。 何故必要かといえば生命活動を維持するために水分子の還元電位を十分 に下げておく必要があるからである。(注1)

体内の複雑な新陳代謝や物質代謝では化学的な酸化還元が繰り返されて いる。エントロピーの増大というレベルでみても、これに伴う酸化物の 増加傾向は否めない。

そして、そうした生理的現象を緩和し、生体全体の還元電位を低い位置 に維持しょうとするのが水分子の働きではないかと考えるわけである。

それでなくても生体内では、両刃の剣である不安定な活性酸素が常時発 生してくるわけであるから、生体内の還元電位の安定ということは無視 できないのではあるまいか。

そして、実際に2eのエネルギーが水分子にどのように働くかを検討す る必要があろう。当然、この2eの電荷は電気的に、人工的につくるこ とが可能であろうと考えた。そうした情報を探した結果一つだけ出てき たのである。これがそのままで正しいのかどうかの厳密な生理学的判定 は当方ではできないのであるが、考え方としてはぴったり当てはまるも のである。

それは人工的に水を還元する方法である。水分子に高周波の電流を流し て活性化すると還元性の高い水になるが、その過程を化学式で表せば次 のようになる。

2H2 O+2e↓H2 +2HO- (注2) まさしく、ここには2eの エネルギーによる水分子の還元電位の低下を示唆する反応になる。

電気的にはここで水素ガスが発生してくるが、生体内であれば水素イオ ンのままエネルギーとして流動して蓄積されるはずである。体内での消 化吸収という過程でも、酸化還元というレベルの生理的燃焼反応(物質 代謝)でも水素イオンは重要なエネルギー代謝の位置にある。

肺におけるガス交換はもとより消化吸収にともなう酸化還元反応のパタ ーンは、それ自体緩やかな内燃機関にも想定できるだけに古典的三焦を 髣髴とさせる。

当然この位置から現代における三焦論解釈も展開可能である。ここらは 生理的エネルギー変換のプロセスが浮かび上がってくる。

もとより、不必要な活性酸素とも水素イオンは素早く反応するはずであ る。それは同時にSODも働いて次のような反応になるのではないかと 考える。

2O2-+2H↓H2 O2 +O2

経絡のエネルギーは全身はもとより五臓六腑に行きわたるわけであるか ら、これらの内臓固有の還元電位を検討してみることも意義があるはず である。これに関しても最良の参考資料が見つかった。(図表一参照)

生体臓器の還元電位というものを個別に確認すると、その電位が極めて 低いものであることが分かる。特に、その低い還元電位が内臓を中心に いわゆる臓気として蓄積されているともとれる。

通常、口から摂取する水分はこれほど低い電位ではないから、これは生 体内で還元電位がマイナス電位に下げられるような生理的作用が働いて いるということになる。その原動力こそが、この2eの波動エネルギー ではないかと考えるわけである。(図表二参照)

水分子を原子レベルで見ると、この当たりの様相はより明確になってく る。水の分子は一個の酸素原子を中心にして、左右両端に水素原子が一 個づつ挟むようにして結びついたものである。その結びつき方は一直線 ではなくて、くの字に屈曲した形である。つまり、酸素原子を中心にし て両側の水素原子が、104度31分の角度をつくっているわけである。 (図20参照)

しかも、酸素原子はマイナスに、水素原子はプラスの電荷を持っている。 この水分子の両極性によって、通常は無数の水分子の結合という形で存 在している。プラスとマイナスの極がそれぞれ引き合う水素結合という 結びつき方をしている。これが水の分子集団、クラスターというわけで ある。

しかも、それらの水分子間の水素結合は、物理的な瞬間的短時間で離合 を繰り返す性質がある。ただこの場合、水分子が電気的に結びつくだけ でなくて、そこには分子間の物理的な特性を持ったネットワークが形成 されていることが知られている。

いわゆる、生体内の水は蛋白質を取り囲むようにして多層構造を保った 状態にある。もちろん、細胞や各組織においても保水性の高いことは生 理的にも必要なことであるが、その水分子と蛋白質との結合度の状態に よって、水分子どうしの水素結合の様相が連動的にコントロールされる。

これは、生体情報の伝達ということできわめて重要な意味がある。蛋白 質からの生体情報は確実に水の水素結合に影響を及ぼすはずである。つ まりここでは、体液全体にわたる水素結合の連携が関わったネットワー クの存在、経絡系の介在というものが注目されてくることになる。それ が生体の酸化還元反応にみる電子伝達系の認識に繋がることは否めない。

さらに、生命活動としての経絡現象の中心的部分で、この2eの波動エ ネルギーが大いに関連してくるはずである。そうした新しい展開もここ から順次検討していかなくてはならない。

3、経絡・磁束管と波動エネルギー

現段階では経絡環流の原動力は、経絡構造体の内を流れる2eのクーパ ー・ペアの波動エネルギー(電荷の流れ)であり、その周囲に整然と並 んだ磁束量子の放出が生体磁場の正体であると確信している。

その波動エネルギーの様相は、生体細胞を構成する分子、さらには原子 核の周囲をまわる電子の共振波動であり、次第に同調収束しながら増幅 して経絡全体の共振波動を発生させていると考えるわけである。

微細な構造体と考えられる経絡単位(多層リング)は、そうした磁束量 子の発生に伴う超伝導状態にあると考えられるわけである。しかも、水 分子を豊富に含む蛋白質構造そのものが、もっとも安定したエネルギー 状態を維持できるのではないかという予想が立つわけである。

経絡単位の特徴として当初より上げている多層リングというものの機能 的構造についてであるが、ここで、現時点での一つ憶測ということでい えることがある。

それは、経絡本体は超伝導と常伝導の壁が交互に重なった多層構造体で はないかということである。そして、その超伝導の壁は恐らく四層から 七層の多層構造(磁束管)になっているのではないかというのが当方の 予想なのである。これについては具体的には次のような理由が上げられ る。

量子力学的には超伝導状態であれば、一万分の一ステラの微弱な磁場が かかっても磁束量子ができて、極薄の超伝導の膜なら簡単に突き抜けて しまうことが知られている。このときの磁束量子は0・一ミクロン以下 の太さであることが確認されているのであるが、その内部には〇・一ス テラもの磁場がつくられるというのである。(注3)

それは、単に一本の磁束線が突き抜けているのではなくて、たくさんの 磁束線が束ねられて超伝導体を貫いた状態になっているということであ る。そこには、超伝導による渦電流の発生があって、糸状の磁束量子の 流れを保持して強い磁場をつくことになる。

このときの量子力学的条件として超伝導と常伝導の境界(壁)が交互に 重なると、エネルギー状態そのものは低いまま維持されて物理的安定が 確保される。

この点に注目すれば、これと同様に経絡も多層構造の方がロスのない気 のエネルギー環流(クーパー・ペアによる電子の流れ)が展開できると いうことになる。

物理的な絞り込みを試みればこのような理屈は一応成り立つことになる。 結局、理屈はそういうことであるが、当然こうした物理的特性を持つ超 伝導の膜が生体内に実際に存在しうるか、分化しうるかがここでも問わ れることになる。

とにかく、全身に及ぶ安定したエネルギー環流、しかもロスのない極め て低レベルのエネルギー状態を維持できるということ考えれば、現在の ところ経絡現象以外には該当する生理現象の発見はないのではあるまい か。

経絡現象に伴うエネルギー環流といってもそれは全くの密封状態ではな くて、その環流ルートの途中には経穴というエネルギー調節バルブのよ うな機能が備わっているし、調整池ともいうべき奇経システムが存在す る。生体には幾重にもそうした安全弁ともいうべきバランス機構が存在 しているわけである。

もとより、経穴は気のエネルギーが出入りするところである。さらには、 全身の生体情報が投影されるところでもあるし、そういうかたちでのエ ネルギーの働きがあるところでもある。つまりは、経穴の反応や状態に よって生体機能のモニターが可能とされる。これはまさしく中国医学的 診断治療システムの根幹を成す部分であるはずである。

体内の個々の生体情報は、水面の波紋さながらに末端まで伝達されてく る。そしてそれは、明らかに増幅された生体波動でもある。それらの共 振波動は生命反応として体表部にまで及ぶのであるが、生体内でも確実 に生体信号としてフィードバックされ得るはずである。

生体内の波動エネルギーの伝達様相は、水分子と蛋白質の結合状態でそ の伝達の時間的遅速が干渉されているようである。恐らくこれこそが、 経絡のわりとゆっくりした気の環流現象の本当の理由ではないかとも考 えられる。

しかも、経絡系には環流エネルギーの効率化を促すような電気的コンデ ンサー回路と同じような機能が存在し、それらが多数組み込まれている 可能性がある。というのは、生体内ではエネルギーの収束(充電)と発 散(放電)とが実に無駄なく、それも全身にわたって多元的に展開して いる可能性があるからである。

波動エネルギーの環流によっては、体表面(経穴)に磁束線の放出によ る極めて微弱な磁気が検知されるはずである。通常これは、生体電流の 流れによる電磁誘導現象が関与している。

電解質溶液ともいえる血液の環流自体は外部磁場(地磁気など)の影響 により体内に起電流を発生させ得るであろうし、それらの電荷エネルギ ーはさらに経絡系に効率よく捕捉されることは十分考えられることでな る。

通常、経穴レベルの生体磁場は局所的イオン濃度変化が関係していると 考えられているようだが、臨床的にはもこれらの磁場変動は重要な反応 である。それも、2eの生体波動エネルギーというレベルで見たときは、 ミクロの磁束量子の共振現象という働きと大いに関係しているはずであ る。

薄い超伝導の磁束管の壁を突き抜けてくる磁束量子は渦電流によって収 束されたかたちになるが、この現象は超伝導状態を保持する上でも、エ ネルギーバランスの取れた安定した物理的様相そのものといえる。(図 21参照)

4、生体オーロラ現象

このように論じても実際に現象として確認されなくては、ここでは何ら 意味がないであろう。事実、こうした複雑な量子力学的な解説を目で見 える範囲の、いわゆる現象として捉えることはつい最近まで不可能に近 いものであった。

だが、最新のハイテク機器を使った解析と実験追試によってついにこの 現象をも電子レベルの画像として紹介されるまでになったのである。( 図22参照)

図22は、極微の磁束線が見事に捕捉されている。この磁束線の様相は、 経穴における生体波動エネルギーの動きにそのまま比定することができ るものではないかと考えている。一つの経穴から放出される気のエネル ギーはカーブを描いて、再び別の経穴に連絡交流する。まさしく、これ は体表面での気のエネルギーの特異な放射や動きとも類似してくるわけ である。(注4)

もとより経穴は気のエネルギーが出入りするところとされる。つまり、 生体エネルギーが体表外の空間をも一つの生命場として移動し得るとい うことなのである。ここらは外気功の作用機転にも直接関連してくるで あろうし、経絡治療や奇経治療のダイナミックな考え方にも符合してく るはずである。

ここで体外空間まで気のエネルギー場が及ぶとなると、それこそこれは 新しい展開ということになる。生命場は生体内のみに限定されたエネル ギー場を確保することを意味するのではなくて、体表面に根ざした気の 触手を伸ばしているということになるわけである。いや、その可能性が 大いに問われるということなのである。

このような展開になってくると、いよいよもって荒唐無稽な飛躍し過ぎ た考えではないかという大方の批判も当然出てくるであろうと思う。

結局、ここらの対応はトータルな意味での情報の収集の仕方と、それに 対する個別的評価という主観レベルの冷めた認識というものに掛かって くることになる。ここに科学するという前向きの姿勢がどうしても必要 になるわけである。

とにかく、我々は生体の気に関わる真摯な報告やレポートにはまず厳粛 な姿勢で臨むべきであると思う。それを否定削除する作業というのは、 最後の処理選別で十分なはずなのである。まず気に関する多くの情報が 必要なのである。

体外にまで及ぶ気の動き(生命場)についての注目すべき情報なら、鍼 灸師や気功師によってこれまでにもいくつか捕捉されている。なかでも 注目されるのが、人体の気が視覚に捉えられるという特異な現象の報告 である。(注5)

生体の気を視ることが果たして可能だろうかという疑問に対しては、当 方は積極的に肯定する立場にある。それは、あくまでも気が体外に流れ 出ることは一つの物理的現象と考えているからである。

光線自体、明らかに波動エネルギーであり電磁波である。気が電磁波と 関連があるとすれば、むしろ視覚が刺激される可能性のほうがより高い はずである。

では何故に気の流れが視覚に捉えられる可能性があるのかというと、こ れにそっくりな現象が他にも自然現象として存在しているからである。 それは地球規模の地磁気が介在して起こるオーロラ現象のことである。 (図23-1参照)

生体の場合は、ただ生体周囲に磁力線が発生しているだけでは、視覚に 捉えられる発光現象は出現しないはずである。そこには電気的エネルギ ー(電荷)が必ず伴っていなくてはならない。これまで論じてきたよう に、生体側にはこれらの現象を引き起こすのに必要な物理的条件という のは一応揃っているはずである。

体表面の経穴から出た磁力線に生体の電位の変化に伴うイオンの流れが まとわりつくと考えればその可能性も問えるわけである。ただ、発光現 象そのものが非常に微弱なものと思われるだけに、真空状態でもない空 間にどのように出現するかには当然問題があるところである。

その実体は微弱な磁力線と回転する電子の動きであろうと思われるが、 まずこれらは生体からすべて飛び出てくるものとして考えなくてはなら ないであろう。そして、ここにも生体内の安定した電気エネルギー(量 子化した電荷)として供給される2eのクーパー・ペアが直接関係して いるのではないかと推察するわけである。(図23-2参照)

空気中では通常の形での電子ということならたちまち飛散消滅してしま うはずである。電子が空気中を1センチ進むのに、窒素や酸素といった 分子に3万回衝突するという量子力学的計算もあるわけであるから、そ うした空気の絶縁状態をクリアすることはまず不可能である。

それだけに、2eの安定したクーパー・ペアだとある程度の時間、大気 中でも電子の回転運動が持続するかもしれないわけである。そのように 仮定してみると、生体オーロラ現象が発現する可能性はここでは否定で きないのである。

むしろ自然界のオーロラ現象を踏まえて考えると、生体のオーロラ現象 も信憑性のあるもののように思えてくるわけである。

もう一つは静電気についても検討しておく必要がある。通常、体表面で の静電気といってもこれは衣服による摩擦電気である。冬場のセーター 類には数万から六万ボルトの静電気が帯電する。当然、これによる放電 現象があるわけだが、生体オーロラをこれと同様の電気現象として片づ けてしまうわけにはいかない。

第一、生体オーロラ現象には、摩擦による静電気の蓄積というような数 万ボルトの電気ショックは伴わないわけだし、スパークのような瞬間的 発光という状況とは明らかに異なる。

放電現象には必ず強力な電気エネルギーを生み出す発電機が必要である。 それは自然界のオーロラでもいえることである。むしろ、そのような高 電圧ではなくて生体内で制御され安定した電気エネルギーとしてのクー パー・ペアの供給がある程度の時間持続可能とすれば、それが生体磁場 の磁束線に沿ったカーブした電気的回路を短時間流れるのではないかと いう予想も出てくる。

ところで、地球科学でいう自然界のオーロラというのは、地球磁場だけ でなく対峙する太陽磁場が関係している。生体現象でもこの点を考慮す る必要がある。つまり、施術者と患者(被施術者)といった両者間のエ ネルギー交流というものでみなくてはならないということである。生命 場と生命場との間で気の波動のレベルの交流や干渉といった現象が介在 していることが考えられるからである。このことは、気の波動エネルギ ー発光現象の報告すべてに共通してみられる重要なポイントのようであ る。

(注1)「水の百科事典」坂本順一 高周波還元水(Reduced  water b High frequency electric  field)丸善出版

(注2)物質の酸化還元状態は、酸化還元電位(ORP/Oxidan tion-Reduction Potentials)の基準で計測 できる。単位はミリボトルで表し、還元状態にあるほど数値は小さくな り、酸化状態にあるほど大きくなる。

(注3)「量子力学を見る」外村彰 P九三-九六

(注4)この部分は天文力学でいう太陽磁場と黒点の成因とも非常に似 ている部分である。太陽表面部の磁束管の存在と経絡の関係論も後章で 紹介する。

(注5)1、井村宏次著「気の医学2」の終章[癒しの場に起こる気の 交流](P二一四) 2、山口令子著「気には無限の力がある!」(P 四三) 3、片山明子(私はこうして治す悩みを克服した)「医道の日 本」(六二七号)P一二〇参照



第1章 第2章 第3章 第4章 第5章 第6章
第7章 第8章 第9章 第10章 第11章 第12章

発行日 1998年1月16日


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