電磁波過敏症

論考「実験的経絡論」


第二章・経絡の基本構造


1、経絡の基本構成について

通常、気血営衛というものは営血・衛気という表現がされる。営気が営 血に化するということである。ここらは後世になって営が栄という表記 になったり、営気が営血となったりと拡大解釈されて判然としないとこ ろでもある。つまりこれは生体を環流する気と血とを同列に置いた後世 の恣意的表現の結果のようにも思える。考えるに、生体循環をみたとき 気だけを大きく論じ、流動する血に論及しないのは不自然であると解釈 しはじめたからではないかと思う。

これは原典にいう「気は血の帥なり」とか「血は気の従なり」という見 方に異を唱えたともとれる。要するに、「血は気の母」ということから みれば、それこそ血という大事なものを忘れてやしませんかということ になる。 それだけ、「気の医学」である内経の展開自体があえて血に 重点を置かない生理観であり、後世にあっては解釈が幾分異なったので はないかということなのである。結局はここに「気血相依」の妥協的考 えが後から出てきた理由があるともいえる。

この点は、循環する気血の区別が厳密な意味で後世十分に理解され得た かが問われるところである。それは現代でも全く同様であって、ここか ら気血理論の評価が複雑な問題となるわけである。

「霊枢・営衛生会篇」に「人は穀より気を受ける。穀は胃に入り、肺に 伝わり五臓六腑みな気を受ける。その清なるものを営とし、濁なるもの 衛となる。営は脈の中にあり、衛は脈の外にある。」とある。さらに、 「霊枢・痺論」には「衛は水穀の悍気であり、その気は剽疾滑利、脈に 入ること能わず。そのために皮膚の中、分肉の間を巡り肓膜に薫蒸し、 胸腹に散ずる。」という。

血については、「霊枢・決気篇」に「中焦は気を受けて、汁を取り変化 し赤くなる。これを血という。また(「邪客篇」)には、「営気は津液 を分泌し、これが脈に注がれ変化して血となる。四末(四肢)を営し、 内にありては五臓六腑に注ぐ。」とある。

こうなると古典でいう血は血液に限りなく近いものということになる。 しかも、同じように全身を貫流するとはいえ、気と血とでは相対的に重 さが違うはずである。「剽疾滑利」といえば、やはり流動するときの運 動性にも血と気では大きな違いがあるということである。清と濁の違い にもいろいろな解釈が成り立つが、物質的な大きさや重さが違うという ことになれば、当然物理的には質量に違いがあるということになる。

さらに、これは物質としての分子量が大きく異なるということに他なら ない。当然、血液中の血球等の成分は最も分子量、もしくは質量が大き いはずである。質量が大きいものほど経絡の内側を流動するということ になるが、そうだとするといよいよ血管系が経絡の実質的中心を成して いるということになってくる。

むしろ、ここでいう血とは体内を流動する液体成分の総称とみるほうが 分かり易いようである。そして気自体は電荷したイオン粒子の流れ、機 能的生体エネルギーとみていったほうが理解されやすいのではないかと いう考えも成り立つ。結局血液を主体とする液体物質は、血管系を介し て全身の組織細胞に運ばれる過程で生化学的変化を経て、最も分子量の 小さいイオン粒子(生体エネルギー)にまで変化していくのではないか。

いや、ここでもっと厳密にいえば、気の本体はこのイオン粒子に何らか のかたちで介在して、その上に乗って移動するものなのかもしれない。 そうした大胆な予想も現時点では成り立つように思う。

もちろん、そうした経絡の多面的機能性が古典ではいくつも強調されて いる。脈中をいく栄気は一時も休まず全身の陰陽の経絡を一日五十周す るものである。これが経絡本体の主流ということになる。

脈外を巡る衛気は昼は陽部(体表面)を二十五周し、夜は陰部(五臓) を中心に二十五周するということであるが、「霊枢・衛気行篇」ではこ こでいう陰陽を陰経・陽経といい、「難経」では陰陽を昼夜の時間帯に それそれ解釈されている。どちらにしても、これは栄気も衛気もその循 環経路に対して同じ周期(一日五十周)を、同時に制御維持できるコン トロール機構が備わっているということになる。いやむしろ営血も衛気 も同質の流動性を持った非常に軽い物質から成っているともとれる。

衛気がその機能を昼夜の時間差(あるいは陰陽)で支配領域が変換する というのは、自律神経のいわゆる交感・副交感神経の調節機能に類似し ていて興味深い。古代中国人はこの点においても、すでに西洋医学を凌 駕した先進的生理観を持っていたことになる。

そのことを考えれば、単純に経絡を気血の環流路だけのものとすること もやはり早計であるように思える。ただこれを、ある程度幅のある帯状 のものと想定したにしても、まだ経絡の概念にぴったりとはそぐわない ところが出てくるように思う。やはり、鍼灸理論でいう古典的経絡は一 つの生理的循環現象であると同時に、さらにレベルの高い生命現象その ものに位置づけられる存在でもあるということになる。

ここで注目すべきことは気の循環に関して通常は時間的、生理的遅速が ないという指摘に注目したい。「霊枢・五十営篇」や「難経・一難」に よれば、一呼吸に六寸気が進むわけである。これは、経絡は栄気衛気の 通路を常時オープンしている、そうした生理的態勢にあるというふうに 解釈できる。もちろん幼児や老人は多少速度が遅くなるとされるが、こ のように経絡が休まず機能するということは、ちょうど電源スイッチが 常にオンの状態になって、回路が開いているのと同じということになる。

しかも経絡の脈中を栄気が流れ、その脈外を衛気が流れるという内経の 原則論を踏まえれば、経絡が循環路としての明確な構造体である可能性 がそれとなく窺える。

先に紹介した「霊枢・痺論」の「衛は水穀の悍気であり、その気は剽疾 滑利、脈に入ること能わず。そのために皮膚の中、分肉の間を巡り肓膜 に薫蒸し、胸腹に散ずる。」という記述によれば、衛気は明らかに脈( 経絡)には入れない状態にある。物理的に隔絶されているということに なる。

経絡に内外構造があるというのであれば、当然その境目、隔壁というも のが存在しているというようにもこれは解釈できるということである。 これが経絡構造の重要なヒントである。つまり、この境目・隔壁の存在 自体が経絡の解剖学的な位置づけに繋がるかもしれないわけである。単 純な発想ではあるが、そういう方向で考えることも一つの論究の仕方で もあろう。

流動する気血に対してなんら境目が存在しないというのであれば、気血 の環流ルートは生体内で常に特定されない迷走状態に置かれているか、 あるいは秩序のない浸潤拡散の状態にあるということになる。経絡は規 則的方向性を保って流れるのであるから、当然どこかで環流ルートの収 束ともいうべき制御機構が働いているはずである。

だから、ここでは生体内を安定した状態で環流する経絡には管状の隔壁 があるか、もしくは気の環流を方向付ける誘導帯(導伝帯)のようなも のが存在しているのではないかと考えたわけである。

しかしながら、特定の環流現象を伴いながらも、生体の気は自在な動き をするのが常である。生体内では経絡内を環流する気血と経絡外で動き 回る気とが、密接な関係を保ったままで同時に存在している。やはり問 題は、隔壁なしに気血(生体エネルギー)の環流ということが果たして 可能であろうかということである。

2、生命場と経絡

経絡は一日で全身を五十回環流するとされる。これは生命現象としての 規則性、生理的現象であろうと思う。経絡の長さが古典に書かれてある から、時間単位の経絡環流のスピードは単純に計算できることになる。 その緩慢さからみれば、当然神経系の反射とはいえない。神経系という よりリンパ液も含めた何らかの体液の流動・循環の様相の方に近いよう に思えてくる。

その循環も生体エネルギーを伴うわけであるから、酸素や栄養分を多く 含む動脈血に該当するように受け取れるわけである。これはやはり血液 の循環として解釈してしまっても、それほど大きく外れてはこない。問 題はどうしても「気」の物理的波動エネルギーの扱い方に集約されてく る。この気の環流こそが経絡の中心的機能を担っているわけであるから、 まずこの部分から切り込まないことには全体像は浮かび上がってこない。

気のエネルギーは環流しながらも、全身に充満しているわけである。人 体はまさしく気の入れ物、容器といえる。その充満の仕方は風船のよう に密閉された特殊な空間というものを持っているということになる。物 理的には外からの圧力に対してパスカルの法則が成り立つような密封さ れた気のバランス空間と、内外に向かって働く力学的緊迫度を備えてい る隔壁があると考えられるわけである。(図3参照)

それと同時に、外からの局所の刺激もすべて全体の気のバランス変動と して感受伝達される。つまり外部からのあらゆる刺激は全身の衛気でも ってモニター(感受)されるはずであるし、その反応も身体全体からフ ィードバックされてくるはずである。中国医学的身体観は、個々の組織 や器官のパーツ構成を決して否定するものではないが、身体は一つの小 宇宙であり、独立したいわゆる「生命場」を持つというわけである。

この「生命場」という表現自体は決して医学的表現とはならないであろ うし、直裁に容認され得る専門的語彙でもない。それだけ曖昧な概念と 取られがちであるが、実はここでいう場とは物理的エネルギーが働いて いる特殊な空間という意味である。

ここでは、気の容器としての東洋的身体論そのもののが問題となる。身 体という容器そのものがその物理的空間をすっぽりと占有していると考 えてもそれは成り立つ。もとより生体内部は複雑な物理的化学的現象の 集積であり、それらをコントロールしつつ生命現象が営まれ続けている。 あえてここに物理学(量子力学)の専門用語である場の概念を持ち込ん だのは、そのほうが核心部分により近づくことになるのではないかと考 えたからである。

3、生命エネルギーと磁場

当初、経絡の構造を考えていたとき、経絡の多層構造に最も関心があっ た。そして、経絡の環流ルートの実体というものに考え及ぶに至って、 おそらく経絡の中心部にはもう一つのまったく別のエネルギーの流れが あるのではないかと予想するようになった。これはいわゆる組織学的構 造を問題にしたのではなくて、経絡の物理的特性を考慮した「場」の考 え方に基づいたものであった。

要するに、経絡にはある種の物理的波動エネルギーが環流しているので はないかという発想である。そして、それがどのような種類のものか特 定できるかが一つの課題でもあった。どのようなエネルギーであろうと、 それが流動運動するのであれば当然周囲に物理的な特殊な空間(場)が 生じてくるはずである。それが電場(電界)であり、磁場(磁界)とい うものではないかということである。

生物物理学では、すでに生体にそのような磁場や電場が発生しているこ とが知られている。生体電流の活動も生理学では当然出てくるし、心電 図や脳波の測定も医学的診断では応用されている。

精密な人体の磁場測定は現在では超伝導センサーを搭載した測定機器( SQUID/超伝導量子干渉素子)の出現によって可能になった。(図 4参照)生体に磁界が発生するということは、とりもなおさず生体内で 電気的活動があることを示唆している。これは生体内で荷電した粒子や イオンの流動現象があることを意味し、物理化学的エネルギー流動の「 場」としてのある種の環流路が、そこに存在しているという可能性に直 接繋がってくるわけである。

生体組織の透磁率は空気中とほぼ同じであり、その磁場は体外にまで及 ぶというのであるが、実際は地磁気(0・3ガウス)の一億分の一の非 常に微弱なものとされている。それでも、とにかく生体に磁場が生じる ということは体内に電流が流れているということの確かな証拠でもある わけである。単なる帯電現象では、このような磁場という物理的現象は 発生しない。

神経や筋肉の活動には活動電流が関与しているが、これは細胞の内外に 存在する電気を帯びた粒子(イオン)の流れや移動によって生じるもの である。この流れの回りに磁場が出来るということになる。(電磁気学 でいうビオサバールの法則による)これは同時に、生体内のそうした電 気の流れには一定の方向性があるということをも意味している。電流の 方向性によって磁場の強さや向きが変わるからである。

経絡に何らかの電磁特性のあることは、奇経治療の分野ででもすでに報 告されている。 中国の研究によると、経穴は電磁気の集まる焦点であ り、外部からの磁気信号に敏感な感受器が存在しているという。生憎と、 それがどのように証明されたのか詳細は不明であるが、経穴自体に何ら かの感受性があってもおかしくはない。磁気に磁気が反応するのは自然 であるし、経穴に特有の生物磁気があるのも否定は出来ない。(「中国 気功法」張恵民著 一九八八、P245)

さらに近年では、欧米でも中国古典医学と量子力学を応用した量子医学 というものをミックスした理論が、ドイツのフォル博士によって「EA V医療体系」として盛んに研究されるようになってきている。

これは、「臓器や細胞や組織の状態が、電磁波として経穴に集中するこ とを利用して測定及び治療していく」というもので、これには専用の測 定機器があるということである。(「ドイツの波動機器」陰山泰成著・ P28)このEAVなる理論の具体的な内容は分からないが、興味深い 記述がマニュアルのなかにあった。

「電磁波の情報を一体何が具体的に伝達しているかということですが、 量子医学の研究では、DNAの螺旋構造の中に電磁波の情報を伝達する 機能があるということです。」(同書P31)と書かれている部分であ る。DNAの螺旋構造の中にどのようにあるのかがここでは重要な問題 であるが、この当たりの理論の詳細も不明である。

ただ不思議に思えるのは、最先端のハイテク機器(筑波研究学園都市・ 電子技術研究所のSQUID)で人体の磁力線や磁場を測定するのには、 地磁気や周囲の電磁波エネルギーを遮断した高性能磁気シールドルーム の中で行われるのであるが、EAV機器では測定時にそういうシールド は全く必要ないらしいのである。この当たりは、測定レベルの相違か、 EAVそのものが全くのブラックボックスということらしいので何とも 評価のしようがないが、一応の参考資料という位置づけにはなろう。

経験的に、経絡を対象にした治療としてのいわゆる経絡治療や奇経を対 象とした奇経治療を実施していると、通常の生理学的理論では説明の付 かない不可解な現象に遭遇する。特にそれは奇経治療にいえることであ るが、逆にこのことが経絡現象の特異性を追求するきっかけとなる。

たとえば奇経治療の判定法では磁石のテスターがよく利用されている。 奇経が磁石のそれぞれの極性に反応するということは、判定のポイント となる経穴に当然磁場が発生していることになる。同時に、それは奇経 に関係する経穴が磁力に反応するということでもある。

前述したように生体に磁場があるということは、明らかに生体内部から 磁力線が放出されていることになる。そして、そこには常時電気の流れ があるということになるわけである。

ここで注目すべきことは、磁場・磁界の極性である。磁場の極性は単独 では存在しない。常にN、S両極がセットで発現する。これは静電気の 帯電とは全く違った様相があることを意味している。生体内には電子伝 達機能を持つ各種のチトクロム(ヘム、タンバク質)が存在しているし、 生体内で自由電子の移動によって電荷が運ばれれば、当然そこに起電力 が発生し電気の流れにともなう磁場が出現する。

このように生体の磁場や電場といった物理的現象が、古典医学でいう経 絡と直接関連があるのではないかという予想は、鍼灸師のあいだでは当 初より指摘されていたように思う。たとえば気の流れというものを電子 の移動による電気的現象を伴うものとして捕らえる研究として、ここは 間中理論や長友理論が注目されるところである。

4、経絡ホログラフィックの展開

経絡の構造を論じるということは、具体的にその成り立ちを解明すると 言うことである。言うまでもなく、経絡という機能体系があって実体が ないというのが従来の経絡論の矛盾点である。それは、まるで実在しな いものを便宜的に捏造したに等しい。しかしながら、鍼灸医学ではこれ まで伝統的にこの経絡の環流を認知し、同時に臨床の場でも実際にひろ く活用してきたわけである。それは経絡があるから経穴がある、経穴が あるから経絡環流現象があるという認知のされかたであった。もちろん その背後には、西洋医学的生理学理論とは異質の経絡現象に集約された 診断治療体系というものが存在している。 

このように経絡について検討していく過程では、生体を隈無く環流して いるとする一元的捉え方と、経絡の存在そのものを考える上での陰陽五 行説などの多元的捉え方というものがあることに気付く。そしてこの両 面を同一座標に忠実に再設定してみることが、新たな経絡認識に繋がる ように思う。またそれが本論の進め方でもある。

臨床面で考えると、患部と離れた遠隔部に治療のポイントを設定するこ とは、鍼灸治療ではよく知られている。これは多くの場合、経絡の流注 そのものを意識した治療システムそのものといえる。同様に体表上の特 定のゾーンに、全身に対応する反応現象や治療ポイントの設定が成され ることがある。これなどもいわゆる中国医学的身体論の多元的捉え方、 考え方そのものということができる。

まず身体の異状は必ず経絡の病的反応となってその環流ルートに出現す ることを前提にしている。その関連する内蔵や経脈固有の病症と複雑に 連動することによって、多元的な様相を身体各部にも出現投影されるこ とになる。これは「霊枢・衛気」にいう経脈(経絡)と各身体部位との 関連法則である標・本の考え方であり、「霊枢・根結」にいう経絡の遠 近投影関係をいうわけである。このような身体相関の重複する現象を診 断や治療に応用するというのが本来の中国医学的術式といえる。 これ ら一元的な治療ポイントの設定の仕方や多元的な身体の病態認識は、突 き詰めるとすべて経絡に行き着くことになる。なぜなら経絡は身体隈無 く網羅した環流機能を持つだけでなく、同時に身体の機能をコントロー ルしモニターするフィードバック・システムを備えていることが古典に は示されているからである。

これは、まさに現代の生物制御論(バイオサイバネテクス)やセルフコ ントロール(自己制御)理論に繋がるものである。たとえば、生体のセ ルフコントロールを紹介した「中国気功法」(林厚省著)には次のよう に分かり易く解説されている。

「この系統の主要部分はある種の信号伝達の性質を持った仲介者(トラ ンスミッター)と細胞構造(複合体)およびそれらのあいだの相互作用 である。細胞と細胞とのあいだの情報は放出されるトランスミッター( 神経媒介質)を通して相互に伝達されている。これらの情報はレセプタ ー(受容体)によって受信される。」(同書P97)

実に明快な解説である。生体のセルフコントロールが細胞間の情報伝達 に掛かっているということは、経絡というものとの間に何らかの関連性 を問える可能性があることを示唆していることになる。

さらに、ここで特筆すべきことは、経絡環流は経絡自体をも自動コント ロールしているのではないかということである。経絡の内を気血が循環 している様相については先にも触れたが、気が血を先導するというのが 古典の示すところである。気がすべての原動力となって経絡環流を調節 するというように情報を整理していくと、経絡本流さえも同様の気のエ ネルギーでフィードバックされ、誘導されているのではないかと考えら れるわけである。 これは冒頭でも書いたように「外からの局所の刺激 もすべて全体の気のバランス変動として感受伝達される。つまり外部か らのあらゆる刺激は全身の衛気でもってモニター(感受)され、その反 応も身体全体からフィードバックされる。中国医学的身体観から視ると、 身体は一つの小宇宙であり、独立したいわゆる「生命場」を持つ」とい うことの再確認ということになる。

そうなると、その生命現象を営む身体(場)には、気が支配する固有の 空間と時間的な波動があるのではないかとする考えるに繋がってくる。 つまり、経絡循環現象自体が積極的に「時間と空間」を同調させるか、 あるいは「時間と空間」に同調した生命現象ということになるのではな いかということなのである。それが、いわゆる成長化収蔵という生理的 体内時間の推移を捉えた考え方として認識できるのではないかというこ とになる。これは厳密にいえば、中国医学的なフィードバック理論の広 義の解釈ということができよう。

特にここでいう体内時間は臨床的な意義があるであろうし、奇経の八総 穴を組み合わせて使う治療を試みたりすると、体内でのそうした共時性 を持った場というものの存在を感じることがある。これも本論の解明す べき経絡の機能的一面に他ならない。

中国医学の特徴をまず第一に上げるとするならば、それは伝統的に経絡 ホログラフィーを連想させる診断治療体系が存在しているということに なろう。それは前述したとおり、身体の一部の器官臓器の異常が、全身 いたるところに反射反応帯に似た特異な現象となって出現するというこ とに集約される。

その現象は西洋医学でいうところの内蔵皮膚神経反射や脊髄断区(デル マトーム)のような神経支配領域に出現するものとは全く異なる様相を 呈している。いわゆる足底や手掌面、耳介にツポを取るペイン・シフト 理論、さらには舌と手の臓器代表領域(バイ・ディジタルoリングテス ト法)に対応するものである。

つまり、ここには全身が身体各部に集約的に投影されるという原理原則 があるわけで、これは同時に身体各部や末端部が、全身に影響を及ぼし 得る相関関係になっているとする生体の法則性に繋がっていく。

一九八五年当時、「医道の日本」誌五百四号、五百六号に連載された張 穎清氏の論文「生物全息診療法」(飯田清七訳「生物全身反映法則診療 法」)には、経絡現象に関心を持つ者として少なからず驚かされた。全 息法則(生物ホログラフィック法則)による全身分布の穴位や第二中手 骨側穴位の発見に代表される一連の研究報告がそれである。(図5参照 )

もちろんこれまでにも、中国医学には独特の診断法(四診)そのものに 経絡ホログラフィー的発想と手法が組み込まれてきた。それが張穎清氏 の研究論文によって、耳鍼や顔面色診断、虹彩診といった多くの局所診 断法にも、その背後に治療と連結した生物ホログラフィック法則が統一 的レベルで働いていることが明確となってきたわけである。

何故このような身体現象が発現するのか。そして、これが経絡とどのよ うに関連づけられるのかが最大の疑問となってくる。生物ホログラフィ ック法則発現メカニズムの解明は、そのまま経絡という機能的連絡シス テムの全体像に掛かってくるものである。

そうした観点に立ってみたとき、ここで経絡を探求するなら、やはりど うしても生命発現の根元である細胞レベルにまでその目を向けるべきだ と考えたわけである。

同時に、生体を外から包む環境因子というものがどのように生体に作用 するのかをみたとき、そこに相互にフィードバックする生命場があるの であれば、生体を構成する基本単位である細胞(DNA)のレベルで反 応していることになるのではないのかという考えに至ったわけである。



第1章 第2章 第3章 第4章 第5章 第6章
第7章 第8章 第9章 第10章 第11章 第12章

発行日 1998年1月16日


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